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【ステージ4大腸がん】肝転移の同時手術、CVカテーテル、ICUの夜──リアルな入院体験談
はじめに
この記事は、2021年に大腸がん(ステージ4)と診断され、肝転移を伴う手術と入院を経験した筆者の体験記です。
「がん告知から手術に至るまでの流れ」は前回の記事をご覧ください。
今回は、実際の入院・手術の詳細、そしてICUで過ごした壮絶な時間について書きます。
手術前の検査──「肝臓も切除するの?」という衝撃
入院初日、CT・MRI・血液検査などの術前検査が始まりました。
その中で、肝臓のMRIや「どれくらい肝臓を切除できるか」を調べる検査も含まれており、「え、肝臓も切るの?」と動揺。
この時点でようやく、「自分は肝転移もある大腸がんなんだ」と現実味を帯びた感覚が生まれてきました。
CVカテーテルの埋め込み──首元からの処置に震える
検査後、CVカテーテル(中心静脈カテーテル)の埋め込み処置を受けました。
右首の静脈から挿入する処置は、局所麻酔で意識があるまま進行。
画像を見ながら医師が管を入れていくその時間は、想像以上に不快で恐怖を伴うものでした。
このカテーテルは、薬剤投与や採血、静脈圧測定、さらには輸血も想定した装備とのこと。
「これから自分の体に、何が起こるのだろう……」
そんな不安が、静かに心を支配していきました。
手術前日のインフォームド・コンセント──人工肛門の可能性も?
夕方、主治医が病室に現れ、翌日の手術内容について説明してくれました。
いわゆるインフォームド・コンセントの時間です。
説明された手術内容:
- 腹腔鏡によるS状結腸の切除
- 肝臓にある転移部位の切除
- 状況によっては人工肛門(ストーマ)を造設する可能性
この説明を受けて初めて、「ああ、自分はステージ4のがん患者なんだな」と少し冷静に認識できた気がします。
ただ、心のどこかで「まさか自分が…」という感覚は消えていませんでした。
手術当日、朝7時──未知の世界へ向かう
手術当日は朝7時すぎに病室を出発し、手術室へ。
私にとっては人生初の大手術。
▷ 硬膜外麻酔の痛み
背中を丸めた状態で、脊椎にチューブを挿入する硬膜外麻酔。
これが強烈に痛く、麻酔科の先生と看護師が雑談している様子すら異世界のように感じました。
そして──ここから先の記憶はありません。
麻酔からの覚醒──「死んでもいい」と思った激痛
目が覚めたのは夜7時〜8時ごろ。
覚醒した瞬間に感じたのは、「起きたくない」「現実に戻りたくない」という本能的な拒否感。
全身を襲う痛みと寒気。
意識は朦朧とし、ICUで悶絶する自分。
「もう、死んでもいいかもしれない……」
それほどまでに、術後の痛みは強烈でした。
ICUでの夜──麻酔スイッチの無力感と止まった時間
ICUでは自己操作式の麻酔スイッチが手渡されました。
しかし、一定間隔でしか投与されないため、何度押しても効果は限定的。
「今は何時?」「あと何時間これが続くの?」
時間の感覚は完全に崩れ、夜が永遠のように感じました。
翌朝のリハビリ──「立てるわけない」と思ったけど
翌朝、看護師さんに「立ってみましょうか」と声をかけられました。
「いやいや、昨日手術したばかりだよ!?」
そう思いつつ、体を起こしてみたものの、2〜3秒で立ちくらみ。
視界が揺れ、すぐにベッドに戻ることに。
「人間って、こんなに弱るんだな」と実感した瞬間です。
今回の手術内容──S状結腸と肝転移の同時切除
私の手術は、以下の2つを同時に行う複合手術でした。
- S状結腸にある原発のがんの切除
- 肝臓に転移した部位の切除(肝部分切除)
つまり、正式には「大腸がんステージ4(遠隔転移あり)」という診断でした。
おわりに──重い現実を受け止めながら、それでも生きている
手術は命がけのイベントですが、それでも私は今こうして、生きてこの記事を書いています。
この経験が、がん患者の方やそのご家族にとって、少しでも参考になれば幸いです。
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